大きな役目と小さな命C
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あの大空襲からもう15年も経っている。

「それまで話してくれなかった皆が悪いのです」

鮮やかに剣を使い、残っている魔物を切り裂いていく。

ローズは剣技はおろかあらゆる魔法も習得していた。

それは、周りの皆のおかげだ。

「黒魔法、ファイガ!」

もう30匹も倒したというのに余裕の表情である。

しかしアレクサンドリアまではまだ遠い。

「早く行かなければ、こうしているあいだにも・・・!」

ふいに、後ろから声がした。

「・・・大丈夫、お父さんとお母さんはまだ生きているよ・・・・早く、助けてあげてね、おじちゃんを」

「?誰ですか?」

後ろを振り向くが誰もいない。

「・・・・・!ビビさん?ですよね?」

誰もいない後方に向かって話しかけるローズ。

「うん、そうだよ、ローズ」

雲のかなたから聞こえるような声で、ビビが静かに、ゆっくりと、話し始めた。

「ボク、スタイナーおじちゃんから、とっても大切なことを教えてもらったんだ。

 風の祠で一緒に戦った時、おじちゃんは勇敢に向かって行ってた。でも、その背中、少しつらそうだったんだ
 
 それで、ボク、わかったよ。・・・おじちゃんは、とっても、とっても、ベアトリクスさんのことが好きだったんだって。
 
 おじちゃん、クジャのせいでベアトリクスさんと離れ離れになっちゃって、本当は、すごくつらかったんだって・・・。

 ・・・・ボクが言いたいのはね、ローズは、おじちゃんとベアトリクスさんの宝物なんだってこと。
 
 ・・・・・宝物って、どんな時でも大事に持っとくよね?・・・おじちゃんとベアトリクスさんは、そう簡単に、
 
 世界で一番大切なものを捨てるはずが無いんだってこと、言いたかったんだ・・・。
 
 ・・・・そして、もうひとつ。

 二人とも、ローズがつらそうなの見ると、すっごく悲しいんだってこと。

 悲しいのに我慢してると、顔に出ちゃうんだよ、ローズ。

 泣いてすっきりするのなら、思いっきり泣いたほうがいい。
 
 ボク、そう教えてもらったよ」

「ビビさん・・・・」

ローズは吹っ切れたように泣き出した。

・・・・・・・・今までの悲しみを全て涙に詰めて。

泣きやんだローズは、目の前にあったビビの顔を見た。・・・・その瞬間だけ。

ふっと風が通り抜けたかと思うとそこには草地が広がっているだけだった。

「ビビさん?ビビさーん?」

呼ぶが返事は無い。

「ありがとうございます、必ず助けてみます!」

再び立ち上がり、見え始めてきたアレクサンドリア城を目指すのであった。