大切な・・・・

カラーン・・カラーン・・・―アレクサンドリアで一日の初めを告げる鐘が鳴り響きます。

アレクサンドリア城下町のとある家で一人、さみしく食事をしている女の子がいます。名前はローズ・スタイナー。あの永遠の闇を葬り去った8英雄の一人、アデルバート・スタイナーの娘です。いつもなら母親のベアトリクスとアデルバートと朝食をとっているのですが、今日はアレクサンドリアの女王のガーネット姫の娘、セーラの誕生式典が行われるのです。ですから、母親も父親もお仕事に朝早くから行ってしまったので、おうちで一人ぼっちのローズ。最初は不満だったローズも不満がさみしさに変わってました。「ぽろっ・・・ぴちゃっ・・・」ローズの頬を一粒の涙が流れます。それもそのはず、ローズはまだ、3歳なんですから・・・・。

「・・・おかあさん・・おとうさん・・さみちいよぉ」家の中にローズの小さな声が響きわたります。本当はローズも一緒に行きたかったのですが、前回、お手伝いでセーラの護衛をした時に問題が起きたため、今回は連れて行ってもらえなかったのでした。

・・・・・しばし考えながらミルクを飲むローズ。考えるうちにさみしさは消え泣いてた自分が恥ずかしくなります。「///////!!!!」ローズは顔を真っ赤にしながら「・・・・セーラ様と仲良くなる!・・それから、それから・・・・・」ごちゃごちゃなんか言ってますね(^_^;)「よーーーーーーーーち!アレクサンドリア城に潜入してみるでちゅよ!」剣をもって走り出しました。笑顔でアレクサンドリア城へ。

―アレクサンドリア城では・・・・

「コンコン・・失礼します」女王の間へ入るベアトリクス。ガーネットによばれたのだ。「何か御用でしょうか?(笑顔)」ベアトリクスがそういうと、ガーネットが言います「・・ローズは今日はいないのかしら??」ベアトリクスは「セーラ様と喧嘩などをしては大変だと思いまして、家においてきましたが・・・・それがなにか?」ベアトリクスはなんでガーネットがローズを気にしてるのかよくわからなかった。「あの・・ね、セーラがね、ローズと仲良くなりたいって言うの。だから、セーラとローズで話させてみようかなって、思って・・・ダメかな・・?」ベアトリクスは悩みました。かなりの力を持つ二人。今はセーラの誕生式典の準備で城下町は彩色が施されている。二人が喧嘩でもすれば、まず、まちがいなくメチャクチャになってしまう。ベアトリクスは夫であるスタイナーに相談する事にした。「ちょっと、アデルバートと相談してきます。」きぃぃと扉を閉める。扉を閉めたら走ってスタイナーの元へむかった。

「スタイナー!」大声で兵士の指揮にあたってたスタイナーを呼ぶ。スタイナーは、すぐにベアトリクスに気がついて兵士に少しお願いをして走ってきた。「ガチャガチャ。どうした、ベアトリクス?」訪ねるスタイナーに、さっきの事を話した。

「セーラ様が言うんなら大丈夫だろう。会わせてみればいいのでは?」スタイナーの言葉を聞いて、ベアトリクスは「そうね・・会わせてみましょう・・」かるく頷いてガーネットに言ってくると言い残し走り去って行った。

すぐに女王の間に着いたベアトリクスは「ローズを連れてきます。」と笑顔で言い残し、我が家へ向かった。しかし、我が家に着けば自分の娘がいない。驚いて近隣を探しに走ろうとしたときに、ちょうどスタイナーが休憩時間で帰ってきた。「どうしたんだ?」と訪ねるスタイナーに「ローズがいなくなったの!ローズが・・・!!」もう、パニック。スタイナーも驚いて探しに行った。

――――その頃、ローズは・・・

てっくてっく♪ご機嫌でアレクサンドリア城の小さな裏口を歩いています。親が捜している事も知らずにのんきですねぇ・・・・(^_^;)「セーラたんのお部屋はどっちに行ったらいいのでちょう?」こっちかな?と首をかしげて歩きました。さっきの泣き顔はどこへやら・・・だんだん、一人で秘密の裏口を歩いてるのが楽しくなって歌を歌いだしました。「♪あま〜い香りのぉ〜♪ピンク色のおはなっわぁ〜♪ローズぅ♪」ノリノリ・・・(汗)こんな呑気なローズをよそにベアトリクス隊、プルート隊は大騒ぎ。いろんなところを探しています。誘拐されてしまったのかもしれない、おぼれたのかもしれない。みんなの頭のなかは悪い事ばかりが思いついています。もちろんローズがいなくなった事をガーネットも聞いて捜索に参加しました。ベアトリクスは取り乱してて、探せる状況ではありません。がくがく震えながら、「ローズ・・・ローズ」と何度もわが子の名前を呼んでいました。

一方、スキップしながら歩くローズ。見事に兵士達の目を盗んで歩いて行きます。のそのそ歩いてようやく、セーラの部屋の天井裏に着きました。鉄の柵があってなかなか取れません。剣で柵を切り中に入りました。そこにはセーラがいました。セーラはローズが行方不迷だと言うことは聞いていなかったので、普通に話し始めました。こないだの事や、その他もろもろ・・・・。しばし語りあった後、二人は仲良くなっていました。日が沈んできます。「おかあちゃまがかえってくる!帰らなくちゃ!」そうしてローズは屋根裏から帰って行きました。

てくてく・・屋根裏から裏口を歩きます。そして裏口の出口に差し掛かったとき、大きな水堀を飛び越えるジャンプに失敗してしまい水堀へ落ちてしまいました。

流されていくうちに息が出来なくなって、意識がなくなりました。

その頃、川を探していたベアトリクス隊員がローズを発見。魔法によって意識を取り戻したローズはこんな事態になっていて唖然としてます。プルート隊の人がローズの手を引いてベアトリクスのもとへ連れて行ってくれました。

そこには号泣のベアトリクス。「ローズっ!どこに行ってたの!!お母様心配したのよ!・・・」涙が大量;。抱きしめられたローズは「お母様・・・ごめんなちゃい〜」ぽろぽろ泣き出しました。(怒られたと思っていて、なにがんだか本当はわかっていない(^_^;))スタイナーも涙目で二人を見てます。そしてローズは言いました。「もう、一人ぼっちにちないでね・・・ひっく」

ベアトリクスは「ぐすっ・・・ええ。もう、一人にはしないわ」そして笑顔で「あなたは大切な私の娘だもの・・・」赤い夕日が二人の顔をを照らしました。

     END